DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー


DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー 

発売日:2004年7月15日
対応ハード:プレイステーション2

 女神転生の代名詞ともいえた、悪魔との交渉悪魔合体を大胆にも廃止。交渉がないため、当然ながら仲魔もいない。そのかわり、戦況に応じて悪魔に変身した仲間を入れ替えて戦う。真3のプレスターン禍魂(マントラ)、ペルソナ2の合体魔法(リンケージ)、の要素を合わせ持ったシステムとなっている。

 機械的な思考の他には一切の感情を持たないジャンクヤードの人々は、カルマ教会が定めた法に盲目的に従っている。その一つ、「全ての人は各『トライブ』単位に別れ、他のトライブの長を全て倒した者だけがニルヴァーナ(楽園)へいく」という掟に従い、サーフたちは戦闘に怯える事も知らないまま殺戮を繰り広げていた。突如現れた正体不明の物体『ツボミ』から放たれた光に撃たれ、そこにいた者だけでなくジャンクヤード全土の人々に変化が現れる。アートマとカルマ教会が呼ぶ痣と、アートマからもたらされる悪魔化、悪魔化によって引き起こされた飢えや恐怖、嫌悪といった動物的な本能。感情、という本能が目覚めたことにより、カルマ教会が定めた歯車が狂い出す。
 ツボミの跡地から発見された、この世界では存在しないはずの黒い髪と瞳を持つ少女セラ。記憶喪失の彼女は皆を助けに来たのだという。ニルヴァーナへ入るための条件に黒髪の少女セラを伴うことが付与されたために、セラと、感情が目覚めたことで見えて来たこの世界の様々な謎をめぐる戦いが繰り広げられる。
 今作はジャンクヤードを抜け出す所で終り、全ての謎の解明と決着は『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー2』に持ち越される。

 ちなみに公式攻略本(マスターズガイド1、2)に掲載されている外伝なる短編の舞台は、
2014年頃のアメリカ、イェール大学とその周辺。プレイヤーをミスリードするために挿入されたものと思われる。



 キャラクター紹介
多々ネタバレを含むので、要注意!
 サーフ
 魚、もしくは鮫
 Serph(セラフ・天使のスペルよりaが足りない)
 ムラダーラを本拠地とするトライブ・エンブリオンのリーダーであり、銀色の髪と瞳を持つ主人公。アートマは『ウォータークラウン』、変身する悪魔は『ヴァルナ』。取り説でも公式攻略本でも、ヴァルナの両性具有性が特に強調されている。
 新進気鋭のトライブのリーダーとして実力を認められているが無口、仲間思いでお人好しな傾向がある。ゲーム冒頭で最初変身後に気を失い、目覚める時には青い空(銀色の雨が降り続けるジャンクヤードに、青空は存在しない)の記憶と共に、感情を発現する。青い空、セラ・ヒート・アルジラ・シエロの笑い声、海鳥の鳴声、波打ち際、豪華客船、セラの家、そして『祈り』の歌。楽園(ニルヴァーナ)の記憶を解明するためにも勝ち抜かなければならない。ただし楽園の青い空だけでなく、黄色くギラつく空の記憶も持っている可能性がある。
 セラ
 しなり歩き
 Sera
『ツボミ』が破裂した跡地に残されていた、黒い髪と瞳を持つ少女。「皆を助けに来た」といいつつ己の名以外の記憶を失っているが、『祈り』を歌う事で、人々が完全な悪魔になるのを抑える力を持つ。『祈り』とは、誰かが悲しそうに歌っていた平和を願う言葉。
 その容姿よりも、言動は幼い印象を受ける。何かに怯え、常に謝罪の言葉を発する。ジャンクヤードの謎に触れていくことで記憶と力を取り戻し、後悔と謝罪の念を抱きながらサーフたちの元を去る。ルーパには世界の謎を解く鍵、バロン・オメガには世界を滅ぼす悪魔と呼ばれ、エンジェルとも面識がある。サハスララのガードには『マム(母)』と呼ばれ、従える。
 ヒート
 蟹とか海老とか?
 Heat(熱)
 トライブ・エンブリオンの構成員。アートマは『ファイアーボール』、変身する悪魔は『アグニ』。赤い髪と瞳を持つ。
 感情に目覚める前にセラを一目見たときから、ひたすら彼女にこだわり続け、なぜそんなにも気になるのか己でも理解できないために常に苛立っている。直情的で攻撃的だが仲間意識は強く、罠に気付きすぐに行動に移せるあたりからは頭の回転の良さもうかがえる。共食いには何の抵抗もないばかりか、力を求めて血や肉の感触を喜んで受け入れた。本格的に感情を発現したのはハーリーQを尋問したとき。
 青い空のニルヴァーナと『祈り』の記憶を持つ。
 アルジラ
 地虫
 Aregilla(大地)
 トライブ・エンブリオンの構成員。アートマは『サイズミックウェーブ』、変身する悪魔は『プリティヴィー』。ピンクの髪と瞳を持つ。 保護欲が強く感情的で、涙もろい。
 当初は共食いを拒絶していたが、元の体に戻る手段を探るために悪魔としての力を行使するようになる。ジナーナと友情を結び、お互いの人格形成に強く影響しあった。
 青い空のニルヴァーナと『祈り』の記憶を持つ。
 ゲイル
 羽虫
 Gale(疾風、強風)
 トライブ・エンブリオンの構成員。アートマは『ツイスター』、変身する悪魔は『ヴァーユ』。緑の髪と瞳を持つ。口癖は「理解不能だ」。
 エンブリオンの参謀役を勤め冷静沈着で的確な判断を下す、言い方をかえれば冷徹ともいえる人物。セラの歌などによってたびたび感情をあらわすが、そのときフラッシュバックする黒髪の女の泣顔と共に、ジャンクヤードでは不必要であり理解不能なものとして感情の発現を抑え込んでしまう。ゲイルの奥底に眠る心を看過した人物を殺さざるをえない事態に陥る事で、ニルヴァーナおよびエンジェルへの強い怒りと情熱をともなって目覚めた。ただし分析と理論を重んじ無駄を嫌う傾向は相変らず。
 記憶にあるのは真っ赤に燃える空と、黒髪の女の泣顔。当初は『祈り』を知らないと答えていたが、『ゲイル』ではない記憶としてその歌を知っていることに気づく。
 シエロ
 翼竜
 Cielo(空)
 トライブ・エンブリオンの構成員。アートマは『レインボーアーチ』、変身する悪魔は『ディアウス』。水色の髪と瞳を持つ。極めて明るく、仲間の間をとりもつムードメーカー。
 覚醒前からセラを守る意識が強く、彼女を護衛するためにムラダーラに残っていたが、ソリッドの強襲を受けてセラを奪われてしまい、自身はメッセンジャーとして生き残された。己の腑甲斐無さと仲間と共に戦えない悔しさによって感情に目覚める。黒猫の存在に気づき、仲がいい。
 青い空のニルヴァーナと『祈り』の記憶を持つ。
 シュレディンガー
 黒猫
 覚醒前のサーフの前にあらわれてからは、なにかと彼らを導き助ける、正体不明の猫。左耳と瞳だけが銀色の黒猫で、首輪にはアートマのような二口の鈴がついている。
 ちなみに、ジャンクヤード人は猫や他の動物についての記憶や知識はあるが、この世界には人間しか存在しない。
 ハーリー・Q
 シマウマ
 Harley Q
 スワディスターナを本拠地とするトライブ・アサインメンツのリーダー。アートマは『バーニングステーク』、変身する悪魔は『ハヤグリーヴァ』。オレンジ色の髪と瞳を持つ。
 エンブリオンと競合していたアサインメンツだが、アートマがもたらした変化によってリーダーたるハーリーが喰われる恐怖に怯えてしまい、サーフたちの手によって陥落する。恐怖が過ぎると逆ギレする典型。
 ジナーナ
 パンク姐御
 Jinana
 マニプラを本拠地とするトライブ・メリーベルのリーダー。アートマは『アウローラ』、変身する悪魔は『ウシャス』。緑の髪と瞳を持つ。
 戦い続けなくてはならないジャンクヤードの現状を「神の呪い」と形容し、悲しむアルジラの涙に触れて死の直前に感謝と共に感情を発現した。
 バット
 蝙蝠男
 Bat(蝙蝠)
 トライブ・メリーベルの構成員。アートマは『ソニックウェーブ』、変身する悪魔は『カマッソ』。紫の髪と瞳を持つ。
 ジナーナに心酔し仕えてきた自分よりも、彼女がアルジラたちに信頼を置いたことへ強い嫉妬と失望を覚えたことで感情を発現。仲間を裏切り続けたあげく、サーフたちの手で爆死した。
 ミック・ザ・ニック
 かぶとむしor寄生獣
 Mick the Nick
 アナハタを本拠地とするトライブ・ソリッドのリーダー。アートマは『ソーラエクリプス』、変身する悪魔は『ラーフ』。茶色の髪と瞳を持つ。
 計算高く、自ら前線に立つことなく様々な罠を弄する。嘲笑と共に覚醒したが、サーフ率いるエンブリオンによって倒された。
 ルーパ
 狼
 Loopa(ヴィシュヴァルーパ)
 ヴィシュダを本拠地とするトライブ・ハウンズのリーダー。アートマは『ラヴァフロー』、変身する悪魔は『ケルベロス』。赤い髪と瞳を持つ。
 ヴィシュダがブルーティッシュに陥落した後、サーフたちに助力を求めてくる。共闘してバロン・オメガを倒し、ハウンズの構成員に寛大な処置を求める見返りとして、己の首を差し出す。
 子供の夢を見、それがジャンクヤードではないどこかの記憶だと気付く。また、延々と降り注ぐ雨の行き先、子供という知識はあるにも関わらず青年〜壮年以外はこの世界に存在しないこと、そもそもこの世界には人間の他に生物が存在しないことなど、ジャンクヤードの根幹にかかわる謎に気付き、提示する。
 ニルヴァーナにはオリーブの葉を持った息子がいるらしく、ゲイルに遺言を託す。「誇りを持った男になれ」
 バロン・オメガ
 腰に手を当てて牛乳を飲み干す、みたいな…
 Varon Omega(男爵+最終、最後)
 アジュニャーを本拠地とするトライブ・ブルーティッシュのリーダー。アートマは『タービュランス』、変身する悪魔は『ラーヴァナ』。青い髪と瞳を持つ。
 サーフを見た瞬間に怒りと憎悪を伴って感情に目覚め、『生前』という名のニルヴァーナの記憶も取り戻したらしい。この世界での名を嫌い、大佐という地位にあったこと、本来の名はベックであることに強いこだわりを持つ。生前はエンジェルに命令する側だったらしく、セラを『テクノシャーマン』と呼び世界を滅ぼす悪魔として嫌悪する事からも、この世界の成り立ちやなぜ自分がここにいるのかいったあたりも把握していたようだ。生前のサーフ、ヒート、アルジラ、シエロのことも知っているが、サーフには生きながら喰われたとして特に憎しみを抱いている。
 エンジェル
 黒髪と灰色の瞳
 ニルヴァーナの高みからカルマ教会に介入し、セラを要求して来た人物。ゲームの冒頭で、世界に悪魔の力を解き放つとしてセラと言い争っていた。
 ジャンクヤードのサーフを見て激昂し、バロン・オメガとも旧知の仲らしい。今作でのラスボスで、アートマは不明だが悪魔『ハリ・ハラ』となってサーフたちの力を試す。バロン・オメガに新たな力を与えたり、サーフ達の動きを操るといった、ジャンクヤードよりも上の次元を思わせる力を持ち、悪魔もしくはアートマを「開発に5年もかかったウイルス」と呼ぶ。
 ゲイルに眼鏡をかけた金髪の男性の面影を見る。ゲイルのフラッシュバックする記憶に出て来た嘆き悲しむ女、その人でもある。
 ジョージ・ブラック
 次回作への布石
 ストーリー終盤のカルマ教会前にいる、瀕死の元ソリッド構成員。サーフにアメリアという女性への伝言を頼む。「幸せになってくれ」。
 ただし今作ではアメリアというキャラクターは出てこないため、ここでの選択がアバチュ2に関わってくる可能性がある。
 ローラ
 彼氏は隻眼イケメン
 ヤマタノオロチに追い詰められてブルーティッシュキャンプで力尽きた、美しい女性。彼女のタグリングは血で赤く染まってしまった。
 ニルヴァーナ以前に両思いながらも結ばれず、この世界での出合いに賭けていた恋人がいた。
 ローラの恋人は悪魔『メタトロン』に変身する隠れボスだが、意識がメタトロンそのものになりつつあり、人としての意識がそれに抗いながらも逆らえずにいる。
 人修羅
 出張中
 『真・女神転生3』の主人公であり、隠し最強ボス。2周目のアナハタ地下にあらわれる幻であるはずだが、サーフたちのHPが999止まりなのに対して4000超えの攻撃を連続でしかけてくる上、クリティカル率も非常に高い。仲魔はクー・フーリン、ギリメカラ、メギドラオン持ちのピクシー、ティタニア、アラハバキ、パールヴァティ。
 倒されると今作のゲームオーバー時のメッセージと対であるだけでなく、自身の生きざまと、サーフたちの正体にも言及するメッセージを残す。



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